終幕の半分


期間を一緒に歩んでくださったシリルさん、PL様には感謝してもしきれません。文章の拙さは活動量でカバーしようと目論んでいましたがご負担になってはいなかったでしょうか。レスペースは早い方であったと思うのですが…終章延長のお願いにまでお付き合いくださり有難うございます。エピローグもとてもとても嬉しかったです!
姫PC死亡は既定路線だと誤解していまして…場合によっては姉NPCになるのかなと薄暗い想像をしていました。そのため、双子処分の選択時に葛藤を抱いていただけるように!死ぬのは姉NPCではなく妹PC!!という低いゴールを掲げていました。三章でシリルさんが前向きな言葉をかけてくださるので、これは…思い違いをしていたかも?と目が覚めました。三章は本当に転機でした!慌てて軌道修正を図ったのが四章です。PLの盛大な勘違いの所為で生きる意志の希薄なPC設定には沿えたかと思いますがシリルPL様を困らせていたかなと反省しています。想像していたよりもずっと素敵なエンディングを迎えることができたのはシリルさんのお陰です。可憐な名前まで付けていただけるとは当初まったく考えていませんでした。二人のイメージカラーに薔薇が入っていたこともあり感慨深かったです!強請ったのはこちらですが名前を付けていただくってすごいことですね…!!ほんとうに大変お世話になりました。
愛は活動に込めた!は言い過ぎですが終章の後半やエピローグはラブコールのつもりで綴っていました。伝えたいことは余すことなく!全部入れる!と考えたせいで文字数がどんどん増え、最終的に大変な文字量になってしまいました。あれでも削ったのだと添えておきます。
騎士として尽くしてくださるシリルさんも、個人として向き合ってくださるシリルさんも、我儘をまるっと受け入れてくださるシリルさんも大好きです。そして、シリルさんはずるい方でした~!何度ずるい~!となったか数えきれません。余裕があり隙の無い大人といった態度でありながら、時折手の内を見せてくださるので単純なPLは転がされていました。レティーシャはずっとシリルさんのことを知りたいと追いかけていましたが、ローズという名で暮らすようになっても変わらないだろうと思っています。ただ、シリルさんが打ち明けてくださることは増えているだろうと想像できることがとても嬉しいです。ローズに隠さないといけないことはもう何もないためある意味強いと思います。とはいえ、シリルさんに否定される想像がPLは出来なくなってしまいました。期間は終わりましたが“ふたり”の物語はこれからもつづき、薔薇の花に彩られるような日々に違いないと想えることも幸福です。たくさんのお言葉を有難うございました。
蛇足かなと思いつつ、シリルさんがエピローグで“二人の姫君”と記してくださったのでレティーシャ(姉)について触れておこうと思います!本編で必要最低限の接触(夜は会わない、一人行動多め、途中から呼びつけるのは公務だけ)に留めたのは、擦り合わせるのが苦手、行間で関係が進むのが勿体ないというPLの駄目さが根底にありますが、姉の立場として騎士を個人的に評価するのとは別に、妹が懐いた様子をみせる他人に感謝しつつ、面白くないと嫉妬心も芽生えるのでは?と考えたためです。NPCの設定上、閉じた世界で二人で生きていくことを重要とし、不便と感じたことはありませんでした。シリルさんと妹が外へ出る間際を“視る”ことが叶い喜び、祝福してもいます。隣国の王子様はどこか妹を彷彿とさせる青年で、政略結婚だと割り切った関係でいられなくなり、徐々に関係を深めていくと基本ラブコメ、時折シリアスな塩梅で想像しています。温室での宝探し、関連して父王への質問(春先に鈴蘭へ結ばれた翠のリボンはお父さま?)などもぼんやりと考えていましたが期間中表に出てこなかった話題は以上です!
期間をあっという間に感じるほど楽しい日々でした。だからこそ、終わってしまうことに寂しさも感じています。シリルさんと物語を綴るのも、皆様の物語を読ませていただくのも、とても楽しかったです。ご縁をくださいました瀬見様、愛溢れる物語を紡がれた参加者様方、お相手してくださったシリルPL様、素敵な時間を有難うございました。
外で楽しそうにされる姿は悪くありませんでしたので。お望みでしたら仰って頂ければ上に掛け合いますよ。……拒否されたらお忍びにはなりますが、其処は共犯者と言う事にでもしておいて頂ければ。[一章]
……お恥ずかしながら、私がこういったゲームに疎いものでレティーシャ様へ教えを乞うておりました。…姫様はお得意でしょうか?(温度持たず揺るぎの無い低音は、黒の姫君へと捧げられる。末の姫君を一瞥し、しれりと続けるようにして話の矛先を変えようと。黒の姫君が末の姫に付き人がいることについて既知であるかどうかは知らないが、前だろうが後ろだろうが状況が転ぶのならどちらだろうと構わなかった。)[一章]
ポーカーよりこっちの方が性に合う。近頃こういう仕事が無くてつまんねェ思いしてたからな、折角なら楽しませてくれよ?(群れに突っ込んだのでは無く、見付かった為の不可抗力での戦闘は致し方の無いこと。馬車の横へと馬をつければ鐙を踏み付け飛び降り、自由を確保しながら銀色を引き抜いた。木漏れ日受けて輝く剣は、出番を待ち侘びるかのよう。)[二章]
……どなたに、かは存じませんが。私一人で不足なようなら数人陰をつけましょう。それでもまだ足りませんか。(伏せられる目から心に引っ掛かりを覚えているのだとは容易く知れる。であれば、可能な限り憂いを払うべく提案を重ねて行くのみであった。)[二章]
失礼致します。(赤が流れていないその手を取ろう。爪先向けるのは回廊の最奥、サボるには最適な使い手の少ない空室だった。鍵の掛かっていない扉を開けば姫君を先に通し、静かに閉じれば静かな空間に二人だけの時間が流れるだろう。チェスをしたあの時のような席では無いけれど、今優先すべきは居心地よりも静かな環境であった。)姫様。先に謝っておきます、申し訳ありません。(騎士らしく、丁寧に、心を籠めて謝罪を紡ぐ。着いた片膝、垂れる頭は常より深く。そうして、姿勢を戻すなり浅く細く息を零した。)大丈夫なら大丈夫な顔して言え、見え透いた嘘つくんじゃねェよ。…何があった?(腕を組み、呆れたような声色で以て姫君を見下ろす瞳には確かに心配の色があっただろう。聞き分けの良い騎士の仮面を外せば、ただの“シリル”が其処に在る。不敬だと首を刎ねられるならそれはそれで構わない。ただ、男は“彼女”の言葉を聞きたがるのみ。)[三章]
……泣いてもいい、時間が掛かってもいい。だから全部話せ。言いたいこと、思ってること、全部だ。そうすりゃこんがらがってる頭ん中も今よりかはマシになるだろ。(ジャケットの胸ポケットから取り出したハンカチを雫伝う目元へと押し当てながらそう宣った。彼女の言葉を否定はしない。勝手な憶測で踏み入ることも、決して。剣扱う指先はあんなにも器用且つ滑らかに動くと言うのに、目元の涙を拭い去る動きは少々ぎこちないもの。今思えば女性の涙にはとことん無縁であった。感情薄い瞳が映し出す彼女は、どのような表情をしているだろうか。)[三章]
そりゃ殺したくなかったんだろ、生まれた瞬間に殺されてたっておかしくない。今命があるってことは体裁よりお前の命の方が大事だったってことだと思うぜ。…まあどっちにしろ世間的には殺されてるから大差ないかもしれねェけどな。(都合良く“本物”の陰とするつもりだったのかもしれない、其処に愛情があったのかどうかは本人たちのみぞ知ることだ。腕を組み溜息交じりに吐き出しながら、複雑な状況に眉を顰める。このような状況でも頑張らないとと前向きな姿勢は立派なものだが、手入れの行き届いた天から彼女の方へと向ける瞳には不満が宿っていた。)[三章]
(――例えば、命令通りに彼女の命を摘み取ったとして。その後は己の番だろうと、今でもそう思っている。)[終章]
……小さい頃、家族で旅行へ行った。領地を出て遠い場所へ。父、母、兄が二人。馬車での移動は退屈で、ずっと窓の外を見てた。(話し手は淡々と、開いた記憶の引き出しの中をそのままに語る。)そうしたら馬車が止まったんだ。騎士団と野盗がやりあってるところだったらしい。窓の向こう、少し先で飛び交う魔法と剣戟が聞こえた時に思ったのが“面白そう”だった。綺麗な身なりとは反対に荒い言葉遣いで指示飛ばしながら剣を振るその人が、何より格好良いと思った。始まりなんてそんなもんだよ。そっから先は頼み込んで稽古三昧、十六で騎士の仲間入りだ。[三章]
どうしたいって言われてもな…正直なところ剣があればそれでいい。[三章]
無理ってよりはある程度感情を殺す感じだな、仕事だって割り切りゃ簡単だ。陛下が何を言おうが姫が何を言おうが知ったことじゃない。…内緒な。(見上げる不思議な色の美しい宝玉を上から覗きつつ、悪びれもせずに飄々と語る。念の為にと口元に指を立てて秘密を共有すれば、彼女を共犯者に仕立て上げることが叶うだろうか。)[三章]
伝わんねェ奴だな、“そのままでいい”って言ってんだよ。(喜怒哀楽を抱いたままに、素直に表現してくれればそれで良かった。呆れたような物言いでありながら少しの温もりを孕んだ低い声音が、諭すように彼女へと向いて。)[三章]
俺が会いに行くかもな。(真っ直ぐでは無い、違った形で肯定をその背へと投げよう。未だ騎士の仮面を被る気の無い男は、傷一つ無い壁へと背を預けて腕を組む。細い指が扉へと掛けられたその時、もう一度口を開いた。)[三章]
ふり?(嘲笑にも似た呆れた笑いであった。今宵正装纏った騎士は仮面を投げ棄て、彼女へと距離を詰めて行く。何に苛立っているのかすらわからないまま、鋭い瞳が彼女を見下ろした。)ふりなんかじゃねェよ。お前が死にたいなら殺してやる、姉と入れ替わりたいなら入れ替えてやる。外で生きたいなら連れ出してやる。そう言ってんだろ。(丁寧な物腰は消え去り、個人として彼女と対峙する。)[終章]
(考えたところで湧くのが怒りしか無いのなら、それを昇華するように細く息を吐いては片手を持ち上げ金糸の上へと着地させよう。慰めにもなりやしないだろうが、繰り返し撫でる手付きは出来得る限り優しくあるようにと試みた。)[終章]
(愛情深いと言うのであれば彼女の望みの一つでも叶えることは容易いだろうに、最後まで何も与えない彼に愛情はあるのだろうか。些か理解し難いと細めた瞳の奥には不満が燻るものの。)お前がそう思うなら否定はしない。(眉根を寄せながらも言葉通り否定はせず、国を率いる者の声を思い出す。)[終章]
……何だ。(静かに落ちる低音は思ったよりも穏やかに、温度を持って。感謝も謝罪も、何も求めないままにその先を促す。ただ名前を呼ばれただけだとしても構わない。彼女の言葉が届く場所に確かにいるのだと証明するべく口にした。手元に在る何もかもを、家も祖国すらも投げ棄てる道だと言うのに寧ろ心は晴れ晴れとして。)[終章]
…さあ、何だろうな。騎士じゃなくなるのも、国を出るのも、死すらも怖いとは思わない。強いて言うなら、(口にし掛けて、一度噤む。言い淀む己に困惑と少しの苛立ちを覚えながら、)ある意味俺もお前と同じだ。失うことが恐ろしい。命を落とすんじゃなく、心が離れることの方がな。(他人事のように紡ぎ上げる低音には少しの迷い。今でも傍にあるとは言い難いだろうが、それ以上に。)お前は俺のものじゃない、逆もまた然りだ。お前が一人で立てるようになるまでの間は俺がサポートしてやる。此処から出た先で色んなものを見て、したいと思ったことをして、いつか誰かの隣に立ちたいと思うならそうすれば良い。……だから、これ以上は踏み込むな。[終章]
殺す役も生かす役も譲りたくはねェが、選ぶのはお前だって話だよ。[終章]
(「…何だと思う?」ふと、身に纏う空気を和らげるような声音が冬の夜へ。)[終章]
それは困ったな、どうすりゃ泣き止むのか聞いとかねェと。ご要望は?(悪いとは思っていないし、謝ることもしないまま。揶揄うような台詞と共に喉を鳴らし、望むものがあるのならと小首を傾げて美しい瞳を覗く。)…案外貪欲なことで結構。(予想していた斜め上を飛んで行く彼女の返答に瞳を丸くしたのも束の間、何処か満足気に静かな声を落としながら口角を持ち上げた。)[終章]
…ただいま。(扉を開けば、未だに不慣れな挨拶を唇から細く紡ぎ出した。すぐに彼女の姿を目にすることが叶えば扉の近くへと剣を立てかけ、手にしていた袋を机上へと。両手を包む黒を外せばその指先は彼女を求めて伸ばされるだろう。華奢な肩へと届けば引き寄せるまでそうは掛からない筈。)[エピローグ]
(――何より、燃えるような赤を彼女へと刻みたいと願ったが故のもの。)[エピローグ]
…あなたにも、伝わりますように。