Cyril Einsgray
シリル・アインスグレイ
シリル・アインスグレイ


- 年齢
- 27歳
- 身長
- 176cm
- イメージカラー
- クリストローゼ
- 姫
- レティーシャ
シリル・アインスグレイには二人の兄がいる。才色兼備な兄と自由奔放な兄だ。伯爵家の三男でありながら未だ他家との縁を結んでいないのは、仕事一筋であるが故。齢16で騎士となったこの男、日々剣の技術を学ぶことを楽しみとして過ごしてきていた。元々才も持ち合わせていたのか、剣捌きは中々のもので今では精鋭小隊を率いる隊長でもある。不機嫌そうな表情と鋭い眼から常に不機嫌と噂されるが、ただ単にこれが素なのだ。粗暴な口調も相俟って「アインスグレイ小隊はまずい」と遠巻きにされることもあるのだとか。実際のところはと言えば指示と引き際の見極めは的確にされており、何事にも動じない冷静さと培ってきた感覚が任務の遂行確立を引き上げているようだ。つまるところ、見た目の冷たさと口及び手の悪さが先行しているだけで騎士としては優秀な方へと属するだろうとは身内と隊内の者のみぞ知る。興味が向く先は剣、その次に生きて行く為に必要な金。その為であれば、如何様な任でも頭を垂れて受け入れるだろう。逆に言うなら給金を受け取っている間はキュクロス王室へと剣を向ける可能性はゼロである。剣を携える仕事、安定して貰える給金。現状に何の不満も無い男は、恋や愛とは縁遠いまま己らしく生きて行くのだろう。――幼い頃、旅行の途中。野盗を捕えていた騎士の言葉遣いを真似ているのだ、なんて秘密は墓場まで持って行くに違いない。少年の憧れは、ただ静かにこの胸に。
ある日のことb:王室の政略結婚について意見を求められた
(革靴に覆われた左足首を右の太腿へと乗せ、銀色に鈍く輝く刃を磨き上げる作業は丁寧に、その顔に似つかわしくない優しい手付きで以て繰り返される。鍛錬場の片隅にて見える姿は、此処へ通う者であれば見慣れたものだろう。燃えるような赤の髪は後ろへと撫で付けられ、無造作に一つに括られている。切れ長の灰色は喜怒哀楽の何を示すことも無いまま、剣の輝きだけを見ていたけれど。「ようシリル、ご機嫌どうだい?」傍らの机へと肘を乗せ、馴れ馴れしく唇に乗せられた名に眉を顰める。手元から引き剥がした双眸が軽薄に光る瞳を正面から見据えた。)悪いっつったらどっか行くのか?つか何してんだよ、今日は外担当だったんじゃねェのお前。(騎士、貴族らしからぬ荒い言葉遣いと一緒に鼻で笑う。見廻りだった筈の彼が此処にいる理由は知りもせず、形式としてただ尋ねるのみで後は手元へと視線を戻して手を動かした。「つれないねぇ、伯爵家のお坊ちゃんは。そういやお前って結婚とかしないの?貴族なんだから長男じゃなくたって家と家のあれこれあるだろ。…あ、性格悪すぎて難しい?」喋れば喋る程調子に乗る相手を前に深く息をすれば肩が落ちる。)ほっとけ、うっかり手が滑るだろうが。(整えたばかりの切っ先をゆらりとさせれば、参ったとばかりに両手が上がる。「ところで結婚と言えば、王室も政略結婚あるよな。うちの姫様も隣国に嫁いだりするのかね?噂じゃ“半分”だとか――」)おい、その口閉じなきゃマジで手が滑って首が飛ぶぜ。勿論物理的にな。誰に仕えてんのか、何を大事にすんのか、足りねェ頭で良く考えろ。(周囲の温度を下げるかのような圧。風を切った切っ先を彼の首筋へとひたりと当て、侮蔑の目を向けていた。禁忌について軽々しく口にした不敬な男を切り捨てるぐらいは容易だ。「――冗談だよ、悪かったって。」思っているのかいないのか定かでは無いが、輝く刃を引けばそのまま収めよう。「お前そんなナリなのに仕事と忠誠心だけはやたらあるよな。」首筋をさすりながらの茶化した言葉を聞きながら足を下ろそう。)公私は別だろうが、一国の王にタメ口利くわけねェだろ。…忠誠心は金で買われてるようなモンだけどな。(生きて行く為の術が偶々剣であっただけ。先程までの空気が嘘であるかのように、冷めた瞳を瞼の奥へと隠しながら両足を地へとつけ、城内へと向かおう。後ろからの呼びかけは、聞こえない振りをして。)
これでも騎士なんで仕事はきっちりさせてもらいますが…。
あんまり手のかからないようにしてもらえると助かりますねェ。
…ね、姫サマ?